FXにおいて、一つの重要な要素として最適な通貨ペアを選ぶというのがあります。
この記事では、株で言う銘柄のようなものにあたる、FXの通貨ペアについて解説していきます。
通貨ペアとは
出典:https://line-sec.co.jp/media/column/159.html
通貨ペアとは、外国為替取引(FX)において、取引を行う2つの通貨の組み合わせのことです。
FXでは、異なる国の通貨を売買するため、通貨がペアになった取引方法を使用します。
例えば、「米ドル/円を買う」とは、米ドルを買って円を売ることを意味し、逆に「米ドル/円を売る」とは、米ドルを売って円を買うことを表します。
通貨ペアは多数の組み合わせがありますが、日本でもお馴染みなのは、毎日の一般的なニュースでその数値を言うことが一般化しているドル/円の組み合わせでしょう。
もちろん、ニュースでは上記のような言い方はしませんが、イメージはこれでつくかと思います。
通貨ペアの選び方とは
通貨ペアを選ぶ際には、いくつかの要素を考慮する必要があります。
まずは自分の投資目的を明確にすることが重要です。
短期的なスキャルピングトレードを行うのか、長期的なトレンドフォローを行うのかによって、適切な通貨ペアが異なってきます。
次に考慮すべき要素は、取引時間帯です。
通貨ペアは、各国の通貨市場の営業時間によって、取引可能な時間帯が異なります。
例えば、米ドルとユーロの組み合わせである「米ドル/ユーロ」は、NY市場と欧州市場の営業時間が重なるため、取引が活発に行われる通貨ペアとなります。
さらに、経済情勢や政治情勢も通貨ペアの選び方に関わる重要な要素です。
各通貨の国の経済指標や政治イベントの発表によって、通貨の価値が大きく変動することがあります。
例えば、米ドルの価値に影響を与える米国の雇用統計や利上げの発表は、米ドルと他の通貨ペアの相場に大きな波乱をもたらすことがあります。
メジャー通貨・マイナー通貨と呼ばれる通貨ペアの選択も重要です。
メジャー通貨は、ドル・円を始めとした、世界の主要の通貨でこちらは情報が多く、動向をつかみやすいという特徴があります。
特にドル/円においては、一日の動き幅が他の通貨ペアに比べると穏やかといった特徴があり、また日本円については日本の経済動向は自国で把握しやすいので、特にFX初心者にはオススメと言えるでしょう。
マイナー通貨においては、動きが大きく上手くやれば大きな稼ぎを短時間で得られる可能性がありますが、スプレッドが広く設定されていることが多く、また情報も入りづらくかなりリスクのある取引を要求されます。
マイナー通貨は初心者にはオススメできないとは言えるでしょう。
最後に、リスク管理も通貨ペアの選択において重要です。
各通貨の相関関係やボラティリティ(変動率)を把握することで、リスクを制御することができます。
例えば、米ドルと豪ドルの組み合わせである「米ドル/豪ドル」と米ドルとカナダドルの組み合わせである「米ドル/カナダドル」は、相関関係が高いため、同時に取引することでリスクが増大する可能性があります。
通貨ペアの選び方には、投資目的、取引時間帯、経済・政治情勢、メジャー通貨・マイナー通貨選択・リスク管理などの要素を考慮する必要があります。
自分のトレードスタイルやリスク許容度に合わせて、適切な通貨ペアを選びましょう。
また、通貨ペアの動向をしっかりと分析し、市場の動向を予測することが大切です。
基軸通貨と決済通貨
出典:https://nippon-hoken.com/news/968/
基軸通貨とは、FX取引において左側に表示される通貨のことを指します。
一方、決済通貨は右側に表示される通貨です。
たとえば、USD/JPYの場合、基軸通貨は米ドルであり、決済通貨は円となります。
基軸通貨と決済通貨の関係は、FX取引において重要な役割を果たしています。
基軸通貨は取引の基準となる通貨であり、決済通貨との為替相場の変動によって利益や損失が生じます。
基軸通貨の値動きに注目することで、為替相場の予想や取引の戦略を立てることができます。
基軸通貨は世界的によく使われる通貨が多く選ばれます。
米ドルやユーロ、英ポンドなどが一般的です。
これは、これらの通貨が国際的な経済取引や投資において重要な役割を果たしているためです。
一方、決済通貨は、基軸通貨の相手通貨として使われる通貨です。
例えば、USD/JPYの場合、米ドルが基軸通貨であるため、日本円が決済通貨となります。
つまり、この通貨ペアで取引を行う際は、基軸通貨での取引が主体となりますが、実際の決済は決済通貨で行われます。
基軸通貨と決済通貨は、為替市場において重要な役割を果たしています。
為替相場の変動や経済情勢の影響により、基軸通貨と決済通貨の価値が変動します。
FX取引を行う上で、この関係を理解し、基軸通貨と決済通貨の動きに注目することが重要です。
ストレート通貨とクロス通貨
ストレート通貨とは、米ドルと取引をする通貨ペアのことであり、米ドルとの直接的な関係があります。
一方、クロス通貨は、米ドルを含まない通貨ペアで、米ドルを介して取引が行われます。
ストレート通貨とは、主に米ドルを基軸通貨とする経済圏で利用されます。
例えば、米ドル/円や米ドル/ユーロなどがストレート通貨の一例です。
米ドルは世界で最も流通している通貨であり、国際的な貿易取引でも広く使用されているため、他の通貨と比較して取引量が多いのが特徴です。
一方、クロス通貨は、米ドル以外の通貨同士で直接的に取引が行われます。
例えば、豪ドル/円やユーロ/ポンドなどがクロス通貨の例です。
これらの通貨は、米ドルを介して取引が行われます。
具体的には、円を売って米ドルを買い、その米ドルを売って豪ドルを買うというような手順で取引が行われます。
クロス通貨は、特定の地域や経済圏で取引が行われることが多く、米ドルを介さないために為替リスクが少ないとされています。
一方、ストレート通貨は、米ドルを基軸とする経済圏の取引に適しており、米ドルとの関係性を考慮する必要があります。
どちらの通貨ペアを選ぶかは、投資家やトレーダーの目的や取引スタイルによって異なります。
為替市場では、ストレート通貨とクロス通貨の両方が幅広く取引されており、それぞれの特徴やリスクを理解した上で取引を行うことが重要です。
FXにおいては、自分にあった通貨ペア選びは重要な部分となってきます。
最初はボラティリティが小さいドル/円通貨で慣れていき、徐々にボラティリティの大きな通貨ペアにて利益を得ていく。
取引を重ねるうちに、自分が得意な通貨ペアを見つけられることが理想ですが、リスク管理を第一に考えるべきなのは言うまでも有りません。