基本的に一般人がFXを行う場合、FX事業を展開しているサービス会社に口座を開設し、サービス会社が提供するシステムを使ってトレードを行うことになります。
FXのシステムを提供している会社は、国内にもかなりの数がありますが、国境を問わないインターネットにおいては、海外のサービス会社に口座を開くということもできるようになっています。
海外取引所と国内取引所では、レバレッジや必要証拠金、ロスカットルールなどが異なるため、それぞれのメリット・デメリットを理解しておく必要があります。
FXトレードを始めるにあたり、取引所の選択は重要な意味を持ちます。
そこで今回は、国内と国外取引所の特徴、比較を記事にしていきたいと思います。
レバレッジの違い
レバレッジとは、実際の資金よりも大きな金額で取引できるようにする仕組みです。
海外取引所では最大1000倍のレバレッジが可能な場合がありますが、国内取引所では金融庁が定めたレバレッジ規制というものがあり、現在は25倍が上限となっています。
昔は100倍といった高倍率レバレッジを提供している会社が国内でもありましたが、色々あって今の最大倍率になっています。
海外ではこのような規制がないため、1000倍レバレッジといった日本の最大の40倍ものレバレッジを提供しているところもあります。
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海外取引所では高いレバレッジを活用できる
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国内取引所では安全側に立ったレバレッジ設定となっている
高いレバレッジを活用できれば、少ない資金でも大きな利益を得られる可能性がありますが、一方でリスクも高くなります。
レバレッジの設定は、自身のリスク許容度に合わせて慎重に行う必要があります。
ロスカットシステムの違い
ロスカットシステムとは、一定の損失が出た時点で強制的に取引を終了させる仕組みのことです。
国内取引所ではこのシステムが標準装備されている一方、海外取引所ではロスカットシステムがない場合がほとんどです。
ただ、海外の場合はゼロカットシステムという方式がとられています。
ゼロカットシステムは、証拠金が無くなるまで取引ができ、無くなった時点で強制的に決済が行われます。
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国内取引所ではロスカットシステムが標準装備されている
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海外取引所ではゼロカットシステムが一般的。
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ただし海外取引所でもロスカットを設定できる場合もある
ロスカットシステムがあれば、一定の損失を上限に抑えられるメリットがありますが、ロスカットされるまでに損失が拡大する可能性もあります。
ゼロカットシステムは、証拠金以上の損失が出ることはありませんが、一定の額が残るロスカットに対して無一文になるリスクがあります。
追証の有無
追証とは、証拠金の額が一定水準を下回った場合に、追加で証拠金を預託しなければならない制度のことです。
海外取引所では追証がない一方、国内取引所では追証が必要となる場合があります。
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海外取引所では追証がない(ゼロカットシステムのため)
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国内取引所では追証が必要となる場合がある
追証がない場合は、損失が拡大しても追加の資金を準備する必要がありませんが、ロスカットされるリスクが高くなります。
一方、追証がある場合は、損失が一定の水準に達すると追加の資金を準備しなければなりません。
なお、日本国内で追証なしの会社が基本的にないのは法律で禁止されているからです。
もし、万が一国内の取引所で追証なしというサービスを提供している場所があった場合は、明らかに法律違反ですので絶対に利用しないようにしましょう。
スプレッドの違い
国内FX取引所では、メジャー通貨であればスプレッドがかなり狭く設定されている会社が多いです。
(マイナー通貨は国内取引所でも広い)
海外はレバレッジが高倍率だったり、ゼロカットシステムを取り入れているところが多いことから、スプレッドが国内に比べるとかなり広いことが多いです。
スプレッドが広いということは、なかなか利益に結び付くまでの変動に到達しないことがありえるということになります。
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国内取引所はスプレッドが狭いことが多く、それを売りにする取引所も存在する。
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国外取引所では国内より有利な条件が多いが、その分スプレッドが広い
スプレッドが広いとなかなか利益確定ができず、やきもきすることが多くなります。
初心者はまずは国内取引所で、スプレッドが狭い通貨から取引に慣れていくのがお勧めかと思います。
まとめ
海外取引所と国内取引所では、レバレッジ、ロスカットシステム、追証の有無、スプレッドの広さなど、様々な点で違いがあります。
自身のリスク許容度や資金力、取引スタイルに合わせて、メリット・デメリットを慎重に検討し、適切な取引所を選ぶことが重要です。
初心者の方は、まずはいざという時のサポートなどが充実している国内取引所から始め、徐々に取引経験を積んでいくことをおすすめします。